ChatGPT活用!株式スクリーナー風インジケータを自作しよう!(コード公開)
はじめに
TradingViewの株式スクリーナーを使って銘柄選びを効率化する方法をご紹介しましたが、今回は更に一歩進めて、自作のインジケータを作る方法についてご紹介し、コードも公開します!
これは、OpenAIのChatGPTという人工知能を利用して、TradingViewのPineスクリプトを作成する方法です。以下にその手順を詳しく解説していきます。
この手順に従えば、Pineスクリプトを扱ったことがない方でも、独自のインジケータを作成することが可能です!
目次
- 前提条件と準備
- 完成イメージ
- ChatGPTについて
- TradingViewのPineスクリプトについて
- ChatGPTでインジケータを作成する
手順1:ChatGPTに質問文を投げかける
手順2:ChatGPTからの回答を受け取る
手順3:TradingViewでインジケータを作成し、チャートに適用 - まとめ
付録:ソースコード公開
1. 前提条件と準備
この記事を読む前に、以下の条件が満たされていることが前提となります。
- ChatGPTのアカウントを持っていること
- TradingViewのアカウントを持っていること
もしまだアカウントを作成していない場合は、それぞれの公式サイトにアクセスし、アカウントを作成してください。
ChatGPTの公式サイト:https://www.openai.com/chatgpt/
TradingViewの公式サイト①:https://jp.tradingview.com/gopro/?share_your_love=chonon
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TradingViewの公式サイト②:https://jp.tradingview.com/
※アフィリエイトなし
2. 完成イメージ
本記事を読み終わると、あなたはChatGPTを使って独自のインジケータを作成し、TradingViewのチャート上に表示できるようになります。
今回作成するインジケータは、あらかじめ定めた条件に基づいて銘柄を選び出し、条件に合致すると、画像の通り矢印が表示されます。これにより、銘柄選びが効率化され、独自のトレード戦略を実践することが可能となります。なお、今回の条件は、時短銘柄選びのフィルターを条件化したものです。
3. ChatGPTについて
ChatGPTは、OpenAIが開発した人工知能で、自然言語処理を行うことができます。様々な質問に対して、適切な回答を生成することができます。
3.1. ChatGPTの概要
ChatGPTは、GPT-4という最新の技術アーキテクチャをベースに開発されたAIモデルで、自然言語の理解と生成が非常に高いレベルで行われます。従来のAIモデルと比較して、より複雑で高度な会話が可能であり、多くの業界で活用されています。
3.2. ChatGPTの特徴
ChatGPTは、以下のような特徴を持っています。
- 高い自然言語処理能力:文章や単語を理解し、適切な文脈での回答生成が可能です。
- 多様なタスク対応:文章生成、質問応答、要約、翻訳など、幅広いタスクに対応しています。
- 柔軟な会話スタイル:フォーマルな文書作成からカジュアルな会話まで、様々なスタイルに対応できます。
- 知識の活用:多くの分野において、一般的な知識を活用して回答を生成できます。ただし、知識の更新は2021年9月までのものです。
3.3. ChatGPTの活用方法
ChatGPTは、以下のような活用方法があります。
- コンテンツ作成:ブログ記事やレポートの作成、SNS投稿など、様々な文書の生成が可能です。
- カスタマーサポート:FAQの作成や顧客からの質問に対する回答を提供できます。
- プログラミング支援:コードの生成やデバッグ、アルゴリズムの最適化など、プログラミングに関するタスクをサポートします。
本記事では、ChatGPTの中でもGPT4(最新,有料版)を活用して、TradingViewのPineスクリプトを作成し、独自のインジケータを作成する方法に焦点を当てます。
4. TradingViewのPineスクリプトについて
Pineスクリプトは、TradingViewで使用される独自のプログラミング言語で、主にチャート上のインジケーターや戦略を作成するために利用されます。
4.1. Pineスクリプトの概要
Pineスクリプトは、TradingViewで開発された軽量のプログラミング言語です。チャート上のインジケーターやアラート、バックテスト戦略などを作成することができます。この言語は、トレーダーや投資家が独自の分析ツールを簡単に作成できることを目的としています。
4.2. Pineスクリプトの特徴
- シンプルな構文:トレーダーや投資家にも分かりやすいシンプルな構文が採用されています。
- カスタマイズ性:独自のインジケーターや戦略を作成し、チャートに表示することができます。
- バックテスト機能:過去のデータを用いて、作成した戦略のパフォーマンスを評価することが可能です。
- コミュニティサポート:TradingViewのユーザーコミュニティで、スクリプトの共有やサポートが行われています。
4.3. Pineスクリプトの活用方法
Pineスクリプトは、以下のような活用方法があります。
- インジケーター作成:移動平均、RSI、MACDなどの基本的なインジケーターや、独自のインジケーターを作成できます。
- アラート設定:特定の条件に合致した際にアラートを通知する仕組みを作成できます。
- 戦略バックテスト:過去のデータを用いて、作成した戦略のパフォーマンスを評価し、最適化することができます。
本記事では、Pineスクリプトを用いて独自のインジケーターを作成し、銘柄選びを効率化する方法に焦点を当てます。特に、ChatGPTを活用してPineスクリプトの作成プロセスを劇的に簡単にする方法を詳しく紹介します。
5. ChatGPTでインジケータを作成する
ChatGPTを活用してPineスクリプトのインジケーターを作成する手順について説明します。
手順1:ChatGPTに質問文を投げかける
まず、以下の文章をChatGPTに投げかけて、インジケータを作成してもらいます。ChatGPTでは投げかける文章(プロンプト)が非常に重要ですので、今後活用する際には意識していくといいでしょう。
下記プロンプトは慣れてきたらご自身の条件にあった書き方に変更して入力するのも良いと思います。
---プロンプト(入力文)---
あなたはTradingViewのPineスクリプト作成のプロです。
以下の条件に当てはまるインジケータを作成していただきます。
条件
・5日移動平均線が20日移動平均線より大きい
・20日移動平均線が、60日移動平均線より大きい
・過去6か月のパフォーマンスがマイナスである
・相対ボリュームが1以上である
・前日の出来高より当日(現在)の出来高のほうが大きい
条件に当てはまった場合、下記の通り矢印を表示してください。
色:濃い青
大きさ:普通
形:ラベル下
位置:バーの上
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手順2:ChatGPTからの回答を受け取る
ChatGPTからの回答を待ちます。回答が得られたら、その内容を確認し、正確なPineスクリプトが得られていることを確認してください。
手順3:TradingViewでインジケータを作成し、チャートに適用
- TradingViewのチャート画面で、画面下部の「Pineエディタ」をクリックして開きます。
- Pineエディタで、「開く」→新規作成の「インジケーター」を選択します。
- Pineエディタで新しいスクリプトが開いたら、デフォルトで表示されているコードを削除し、ChatGPTから受け取ったPineスクリプトを貼り付けます。
- 「保存」をクリックしてスクリプトに名前を付け、保存します。
保存した際、コンパイル(コードのチェック)でエラーが表示されている場合は、エラー内容もChatGPTに聞いて解決していきましょう。 - Pineエディタを閉じて、チャート画面に戻ります。画面左上のインジケータ追加ボタンをクリックし、「マイスクリプト」タブを選択します。
- 「マイスクリプト」タブで、先ほど保存したインジケータを選択してチャートに追加します。条件に当てはまった場合に下記の通り矢印が表示されることを確認します。

6. まとめ
本記事では、TradingViewのPineスクリプトを用いて独自のインジケーターを作成し、銘柄選びを効率化する方法を紹介しました。特に、ChatGPTを活用してPineスクリプトの作成プロセスを劇的に簡単にする方法を詳しく紹介しました。今後は、ChatGPTを活用したインジケーター作成の応用範囲を広げ、さらに多様な条件や戦略に対応できるようになることが期待されます。
最後に、注意点を挙げます。
インジケーターや戦略を活用する際は、常にリスクを意識し、適切な資金管理とリスク管理を行うことが重要です。また、ChatGPTを利用する際も、機械的に回答を信じるのではなく、自分自身で理解し、適切な判断を下すことが大切です。
付録:ソースコード公開
「どうしてもエラーが解決できない」、「コードだけほしい」という方へソースコードをこちらに公開しています!適宜ご使用ください。